ひとりの意見が会社を変える ユニークで働きがいのある職場

都ユニリースは岡山からスタートして、現在では関東を中心に全国で展開している企業向けユニフォームの販売・レンタル、クリーニングの集配の会社です。さまざまな企業やアミューズメント施設、病院、工場などが主な取引先であり、支店や営業所、パートナー工場は全国にあります。

ここでクリーニングされたユニフォームを企業やアミューズメント施設などに届けるのがお仕事です。

「え？ユニフォームの配送とかドライバーの仕事ってきついんじゃないの？」

そんな声も聞こえてきそうですが、きついだけの仕事ではありません。

クリーニングされたユニフォームを仕分けし、社用車に積み込みお客様に届ける。そこでまたクリーニングするユニフォームを回収し、工場まで運送する。お客様のお届け先はエレベーターがない場所もありますし、駐車場から事務所が離れている場所もあります。夏は運搬するだけで汗をかきますし、冬は車のフロントガラスが凍るような寒さの中で運送しなければならないこともあります。

そんな厳しい環境の中で、なぜ仕事が続けていけるのか。今回は、クリーニング集配の仕事を通じて職場に働きがいを感じている、埼玉支店 配送課の高橋俊夫さんにフォーカスして職場をご案内します。

きつい仕事だけど頑張れる。ちいさな意見にもしっかり向き合ってくれる職場。

以前は建設資材卸の営業をしていたという高橋さん。人あたりがよく、親しみやすい笑顔が印象的です。当時働いていた会社でユニフォームをクリーニングしている“都ユニリース”という会社を知りました。見るからに大変そうな仕事なのに、一生懸命取り組んでいる担当者の姿にいつも感心していたそうです。お客さんの職場が活気ある職場なら元気に挨拶、忙しく慌ただしい職場なら邪魔にならないように手際よく行動など、同じ会社でもお客さんの環境に併せて対応ができていました。

やがて高橋さんは、“都ユニリース”で支店の立ち上げのためのメンバーを募集していることを知り、思い切って応募することにしました。そして採用されたのが8年前。確かに仕事はきつくて、大変なこともあります。でも今は、なぜこの仕事を頑張って続けることができるのか、その理由が分かるといいます。

ひとりのちいさな意見でも決しておろそかにされることはありません。しっかり聞いてもらえ、意見が正しいと判断されれば、職場改善として会社全体で適用されます。

自分の意見が認められる、風通しの良い環境。

高橋さんが入社してしばらくすると、後輩が配属されました。そのころには川越の集配エリアも拡大していたので、高橋さんの業務を分担するために増員されたメンバーです。実はこのメンバーの補強は、高橋さんが上司に相談したことで実現されました。

「個人の負担を減らすためなら、人を採用してもよい」という会社の判断です。通常の会社では、今いる人数で業務をこなせないか、不要な業務は削減できないかというところに重点を置いて、なるべく人件費を増やさないようにします。しかしこの会社では「新たなエリアを開拓するためなら、必要な人員を増やしていい」という判断をしました。高橋さんの意見をしっかり聞き入れてくれた上司が、会社に申請してくれたのです。高橋さんは、そこでちいさな意見も決しておろそかにしない上司や、風通しの良い組織に共感を覚え、納得して働ける職場だと実感しました。ここから、次第に仕事にやりがいを持つようになります。

ひとりの意見が働きやすい環境をつくるユニークな仕組み

やがて高橋さんはグループリーダーになり、配送課を任せられるようになります。配送エリアはどんどん拡大し、部下も増えました。しかしユニフォームの集配というきつい仕事に耐え切れず、職場を離れた部下が何人もいました。

「みんなが頑張っている。この頑張りを何とか還元してあげたい」

そこで高橋さんは、今の上司に待遇の改善を申請します。給与の見直しや繁忙期手当の支給、増員の許可です。会社が成長するためには集配エリアを拡大することは当然ですが、それに比例して個人の負担が増え続けては、メンバーが疲弊して生産性が落ちてしまい、結果として会社全体の売り上げの伸びも止まってしまうと考えたのです。

遠回りに見えるようでも、「個人の負担を減らし、頑張ったメンバーに賃金などの還元を」。取締役でもない一社員の高橋さんの意見を実現することで、風通しのよい職場を実証することができる。そうすれば自分の部下も、ひいては社員全員が“納得して働ける”と思ったのです。かつての高橋さんがそうであったように。

高橋さんの意見は社長に取り上げられました。給与は配送課で4％UPし、繁忙期手当が支給されました。そして、何よりも良い風潮として組織に根付き、次の社員の改善提案を歓迎するユニークな仕組みができあがったのです。