子供と一緒に過ごしながら お客さんに笑顔をお届けする仕事

トラットリアフォルツアは長野や群馬を中心に山梨や埼玉、栃木の一部にも拠点を持つ宅配専門のパン屋さん。

週に1度、企業や施設、個人のお宅など決まったお客さんのもとを訪れ、パンを売るのが販売スタッフのお仕事です。

「子どもも小さいし、働くのはまだ難しいかな」、「私にできるかな」という方も心配はいりません。

働く時間も、販売したいパンの量も、決めるのはスタッフ自身。すべて自分の裁量で決められるので「家事や子育ての合間にお小遣いを稼ぎたい」という方も、「バリバリ働いて自分の可能性を試したい」という方も、思い思いの働き方が叶います。

“子連れで仕事ができる”という点も、こちらで働く大きな魅力の1つ。トラットリアフォルツアでは、たくさんのママさんスタッフが活躍中です。

今回ご紹介する和田久美子さんは、なんと5児の母にして6年連続売上ナンバーワンを誇るパワフルウーマン！

今日は彼女のお仕事風景をのぞいてみましょう。

楽しく働きながら、子どもとも一緒に過ごせる最高の仕事！

以前は事務の仕事に就いていたという和田さん。2年ほど勤めたものの、人と接したり、話をすることが好きだった彼女にとっては、黙々と作業をこなす事務の仕事は退屈なものだったといいます。プライベートでは5児のママである和田さんが、この仕事を始めたのは4番目のお子さんが生後6カ月の時のこと。「『赤ちゃんと家の中に2人きりでいるのは息が詰まる……』と思っていた時に出合ったのが、ここの求人広告でした。“子連れで働ける”というキャッチフレーズに魅かれて、さっそく職場見学に行ったんです。先輩スタッフが実際にパンを販売している現場に同行したのですが、お客様とおしゃべりをしながら楽しそうに働く姿を見て、『私にもできるかも』、『わたしもやってみたい！』と思いました」。

当時は、お子さんをおんぶしながらパンを売ってまわっていたそう。「6カ月の時から1歳半になるまで、子どもをおぶって仕事をしていましたね。『赤ちゃんがいたら仕事の足手まといになるのでは？』と思う方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。子どもがいることでお客様とのお会話が弾むことも多く、むしろプラスに働くことの方が多いように感じました。さらに、楽しく働きながら、子どもとも一緒に過ごせるのですから、こんなにうれしいことはないですよね。特に、『母乳でお子さんを育てたい』というママさんにはぴったりの仕事だと思いますよ」。5番目のお子さんが産まれた際は、なんと産後わずか8週間で現場復帰。「もちろん、子どもも一緒です。『せっかく開拓した販路を失いたくない』という気持ちもありましたが、『早く働きたい！』という思いの方が大きくて。この仕事を始めて7年半が経ちますが、いまも仕事が楽しくて、楽しくて仕方がないんですよ。パンの販売は平日だけなので、週末になると、『早く月曜日にならないかなぁ』と待ち遠しく思っています（笑）」。

お客様1人1人の顔を思い浮かべながら、“いつもの”パンを発注

販売スタッフの仕事は、まず事務所に行き、自家用車にパンを積み込むところから始まります。「どんなパンを何個積むか」を決めるのはスタッフ自身。1週間前に自分が発注した内容と照らし合わせながら、パンをケースに並べてクルマに積み込みます。金曜日だったこの日、和田さんが注文していたパンの数は全44種類130個でした。事務所に着いてから、積み込み作業が完了するまでにかかった時間は1時間ほど。「金曜日は、週に1度、14時に仕事を上がる日なので、いつもの半分くらいの量しかないんですよ。今日は、5時間ほどの販売時間の中で、20軒近くまわります」。月曜日から木曜日までの平均販売時間は、9時から17時過ぎくらいまで。その間に40軒ほどの得意先を訪ねてまわるといいます。「昨日は235個のパンを完売しました。お給料は歩合制なので、自分の中で、『パンを売り切るまでは絶対に帰らないぞ』と決めています」。

お客さんのもとを和田さんと一緒に訪ねてみて、そのカリスマ販売員ぶりがよく分かりました。パンケースをのぞき込むお客さんの目の前に、「くるみのパンをお探しではありませんか？」、「いつものあんパンはこちらですよ」と、“お目当て”の品がさりげなく差し出されるのです。「そう、そう！　これ、これ」。和田さんが抱える得意先は、全部で200軒ほど。その中には、個人のお宅だけでなく会社や施設も含まれますが、「お客様1人1人のお気に入りの品を覚えている」と聞き、驚きました。その日にまわるお客さんの顔を思い浮かべながら、あらかじめパンを発注しているという和田さん。「お気に入りのパンをいつも持ってきてくれるのよ」と、行く先々で常連さんが嬉しそうに話してくれました。ロスなく毎日パンを売り切れる秘密は、お客さん1人1人の“欲しいパン”を的確に見極めて発注しているから。にこやかな接客も手伝って、お客さんからの評判も上々です！

何をやっても中途半端だった私が、ようやく見つけた“輝ける場所”

お客さんの好みを把握すること。効率のよいルートで、短時間にたくさんの得意先をまわること。忙しい中でもコミュニケーションは密にとること。売上アップの秘訣を、和田さんがこっそり教えてくれました。また、「新規顧客の獲得のために、販売の合間を縫っては営業活動にも精を出しています」とも。「何年も利用していればいずれは飽きがくるもの。やめていかれる方だって当然いらっしゃいます。会社の場合は、転勤や退職で常連さんがいなくなってしまう、なんてこともしばしば。じっとしていたのでは、どんどん売上が落ちていってしまうので、日々の営業活動は欠かせません」。売上ナンバーワンは努力の賜物。8年目にして、売上はいまだに右肩上がりだというから恐れ入ります。

「働いたら働いた分だけ返ってくるのがこの仕事のいいところ。努力したことが結果になって返ってくるので、『もっともっと頑張ろう』って思えるんです。何よりも、自分に自信がつきましたよね」。それまでは、「何をやっても中途半端だった」と話す和田さん。「『こんな私でも、輝ける場所があったんだ！』というのが素直な感想です。自分自身の可能性を信じられるだけでなく、この仕事の一番の魅力は、“女性として輝ける”ということ。日々お客様と接する仕事なので、身なりにも気を遣っているのですが、皆さんそれをよく見ていて、褒めてくれるんですよ。家の中にずっといたのでは、絶対にありえないことですよね（笑）。たくさんの人に自分を見てもらえて、褒めてもらえる――。だから、『もっときれいにしていよう』とも思えるんです。いまの仕事を始めてから、生活にもハリが出て、毎日が楽しくなりました」。育児も仕事も全力で奮闘する和田さんの姿は、母としても、1人の女性としても、キラキラと輝いて見えました。